今回、プロモーション映像の制作を依頼したきっかけは何だったのでしょうか?
河野 様(以下、敬称略)「人口減少、少子高齢社会への対応として地方創生の取り組みが全国的に進む中で、これからは自治体も主体的なPRが必要だということは、日々の業務の中で痛感していました。
それにもかかわらず、本村には村を知ってもらう、イメージしてもらうための映像がありませんでした。映像制作は、本村の地方創生の取り組みのシンボル的な意味としても、実用的な武器としても必要不可欠だと考えていましたね。
近隣の市町にはすでにPR映像があり、参考に拝見していた中で、心に響く、人に紹介したくなる、もう一度見てみたいと感じる映像を制作していたのがエレファントストーンさんでした」
映画という企画案について、当初はどのような印象をお持ちでしたか。
河野「第一印象は『どういうこと?』という印象でした。そもそも本村には、誰もが『長生村といえばこれ』というような目を引く地域資源がなく、近隣市町と比較しても特徴がないのが特徴だというような認識がありました。一方で、来てみると、過ごしてみると、住んでみるととても良い村、という評価もいただいています。
そうした状況を踏まえたうえで、『映画として観る人に物語を楽しんでもらいながら、その舞台となっている長生村を感じてもらう、知ってもらうのが良いのではないか。村の方も改めて気づく良さがあるのではないか』という発想は、私たちにはなかったので本当に感心しました」
制作過程で印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
河野「キャストの皆さんがとても気さくな方で、撮影の待ち時間に話しかけてくれたり、地元の方々とも気軽に話をされたりしていました。カメラが回ると役者の顔になり、さすがプロだなと思わされましたね。
その中のお一人と話をした際に、『村人を演じるので、実際の村の人の空気感、感性を少しでも感じ取って自分の中に取り込まないと、観た人が”違う”と思ったらそれまでだから』とおっしゃっていて、演じることで身を立てている方の凄みを感じました」
鎌田 様(以下、敬称略)「撮影時にスタッフの皆さんが臨機応変に脚本を変更していたのが印象に残っています。例えば、アカリとハルが海にいるシーン。本来は海の家の営業中に撮影をする予定でしたが、閉店時間を過ぎてしまったので、海開き前日の設定へとその場で変更になりました。まさにプロの仕事です」
完成した映画をご覧になった時のご感想をお聞かせください。
河野「私自身は、1年間の撮影にすべて立ち会い、その都度ラッシュ映像も確認していました。そのためまったく初めて観る人に比べれば、制作サイドの気持ちで完成した映画を観たのですが、良い意味で裏切られましたね。よくぞここまでのものを作ってくださったと感激しました」
鎌田「映像がきれいなのが印象的でした。特に、ドローンで撮影した田園風景が素晴らしかったです。都会の方が憧れている『いい田舎』の風景だと思いました」
職員の方や住民のみなさんからの反響はいかがでしたか?
河野「『良い意味で長生村じゃないみたい』『映像がきれい』という声が多くありました。ただ、実際にすべて長生村を舞台に撮影されているものですから、本当の長生村です。いかに普段、自分たちの村の良さや美しさに気づけていないか、ということの裏返しだとも思います。
その他、『映画なんてすごいね』という声も多くありました。ユニークな動画やインパクトのある動画ではなく、物語とともに自然に村の中に入り込んで村を感じられる”映画”というアイディアについて、『誰が考えたの?』と聞かれることもありました」
今回制作した映画や村の四季・イベントの紹介動画を、今後活用していきたいシーンがあれば教えてください。
河野「村のイベント告知、観光や移住フォーラムなど、地方創生の取り組みとして主体的な活動が求められている場は多くありますので、村のイメージを感じられるツールとして活用していきたいです」
鎌田「資料や言葉だけではなく映像があると、『長生村はこういうところ』というイメージが格段に伝わりやすいんですよ」
長生村がこういう風になっていったらいいなという展望についてお聞かせください。
河野「映画の中のアカリとハルが過ごす長生村のような、当たり前の生活が続けられる村でありたいです。ただ、このままではそれが維持できません。
人口減少や少子高齢化などの波は、本村にも押し寄せています。そのために何ができるか、今回制作した映像というツールをどうやって生かすか、私たち職員の力が試されるのはこれからだと強く思います」
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