「日本経済新聞」や「日経電子版」を中核として、デジタルサービス、雑誌、書籍、映像、文化事業等の様々な事業を展開される株式会社日本経済新聞社様(以下、敬称略)。今回は、そんな日本経済新聞社で活躍するエンジニアをターゲットとした採用映像を制作させていただきました。制作にあたりお預かりしたのは、「エンジニアとしてNIKKEIで働く魅力をもっと多くの方に知ってほしい」という思い。
このプロジェクトストーリーでは、日本経済新聞社 CDIO室 部次長 清水様、西馬様(以下、敬称略、所属・肩書は当時)をお迎えし、制作にあたっての期待や今後のエンジニア採用にかける思いを伺いました。
「NIKKEIで働くエンジニア」をもっと多くの人に伝えたい
──はじめに、今回の映像を制作するに至った経緯をお伺いできますでしょうか?
清水:私たちはエンジニア採用を担当しているのですが、エンジニア採用チーム内で「NIKKEIで働くエンジニアの顔が見えにくい」との問題意識があったことが、映像制作の発端です。採用候補者にはまず、面談や面接でスライドを用いてエンジニアの働き方を説明しますが、働く人や社内で働く環境の写真・映像の素材が少なく、現場の温度感や雰囲気を伝えるのが難しいと感じていました。
面談では、就業時の服装やオフィス・働いている人の雰囲気についての質問も多く、エンジニアの働き方や素顔を伝えきれていなかったため、映像を活用することで「NIKKEIのエンジニア」を伝えたいと考えました。
西馬:映像をつくりたいと思ったもう一つの理由は、「NIKKEIでエンジニアが働くイメージが薄い」ことにありました。
「日本経済新聞社」というと、記者が働く堅い会社というイメージを持つ方が多いと思うんです。エンジニアを積極的に採用しているイメージはあまり無いんじゃないかなと。実際は、社内に100人近いエンジニアを抱え、「日経電子版」を筆頭に日本経済新聞社のデジタルサービスを支えています。
そんなエンジニア組織の存在や雰囲気をもっと知ってもらいたいと考えた時に、技術カンファレンスで色々な企業が紹介映像を流しているのを思い出しました。エンジニア組織を広く知ってもらうには、紹介動画を作り、色々な場面で活用していくのが良いんじゃないかという意見がチーム内でまとまり、制作を進めることにしました。
清水:これまでも、エンジニア組織の認知を高めるため、本日の取材で西馬が着ている「HACK THE NIKKEI」のロゴTシャツや紹介資料を作ったり、技術イベントを開催したりと、「NIKKEIで働くエンジニア」を想起してもらうような施策を打っていました。その一環として、映像も制作して有効に活用していきたいと考えました。
──「NIKKEIのエンジニア」をどう魅せるか悩まれていたんですね。映像制作を進めるパートナーとして、今回エレファントストーンにお任せいただいた理由はどこにあったのでしょうか?
西馬:ズバリ『品質』です。弊社のコーポレートのバリュー(すべての社員が共有する価値観)の1つにクオリティーとあるとおり、NIKKEIの基準として品質の高さは重要です。
制作にあたって複数社を比較させていただきましたが、エレファントさんのクオリティーに対するこだわりは、実績や企画から強く感じました。
清水:他の制作会社さんと比較する中で、エレファントさんの映像に対するこだわりは私のような映像の素人にも伝わりました。「妥協せずに制作してくれるだろうな」という安心感もありました。
1つのチームとして同じ採用目線での制作ができた
──今回はどんな映像を目指したいとお考えだったのでしょうか?
清水:第一に、どんな人が働いているかを魅せられる映像を目指していました。「NIKKEIのエンジニアってこんな感じなんだ!」とエンジニア組織を知ってもらうことを重視していました。採用候補者は普段の仕事でのコミュニケーションの取り方や働く環境が気になると思うので、「入社したらこういうところでこんな風に働くんだな」とパッと想像できるような映像をつくりたいと考えていました。
西馬:弊社は歴史ある堅いイメージがどうしても先行しますが、きっと皆さんの想像以上に働き方に裁量があったり、キャリア採用の社員が多かったり、多様性のある職場環境だと思うんです。コーポレートバリューには「クオリティー」の他に「多様性」も入っていますし。そういったイメージとのギャップも含めて、実際に働く環境を社外の方にも伝えられるような映像にしたかったです。
──映像の企画は、弊社マーケターによるエンジニア採用に関するリサーチ結果を元にご提案しましたが、このご提案内容に納得感はありましたか?
清水:企画自体の納得感は十分にありました。特に、エンジニアが重視することとNIKKEIの強みをかけ合わせて「開発環境」「成長環境」「VISION」の3つのテーマを抽出し、企画にまとめていただけたことがうれしかったです。
転職を考えるエンジニアが何を重視して企業を見ているのか以上に、自社のどこがエンジニアにとっての魅力ポイントになるのかは自分達では気づきにくい。そうした悩みに対して、エンジニア・NIKKEIどちらの視点も取り入れて企画してくださったと感じました。
西馬:NIKKEIの魅力がどこにあるのかを、エンジニア転職市場のリサーチ結果を踏まえて客観的にご提案いただけたのは、とても良かったです。
エンジニア採用チームでは、直近入社した方に選考前・選考過程・入社後でどんなところに魅力を感じたかアンケートをとっているんですが、その回答は各フェーズによって変わっていくため、自社の推しポイントをどこに絞って訴求するべきか迷うことも多く、魅力の効果的な伝え方を掴めていませんでした。
エレファントさんから、市場のリサーチ結果を踏まえて「エンジニアにはNIKKEIのこのポイントをこの方法で伝えるのが良い」とご提案いただいた時は、私たちの課題を深く理解してくださっているのを感じましたし、良い映像がつくれそうなイメージが湧きました。
──制作の際は弊社ディレクターがクオリティーの監修に入った上で、ヨリゾウサービス※の一環として、元採用担当の社外クリエイターを制作チームにアサインさせていただきました。採用チームの皆様と近い視点を持つメンバーとの制作はいかがでしたか?
※ エレファントストーンのヨリゾウサービスは、社内外の専門クリエイターをアサインすることで、どんなジャンルにもクオリティ高く対応できる映像制作サービスです。お客様のご要望(価格、業界理解度、目指したい表現等)に応じて最適なチーム編成を実現します。
清水:採用業務をご存じだったので、こちらからの質問に違和感がなく会話をすることができて、進行がスムーズでした。どう撮影したら魅力的に見えるかを採用視点から考えていただけたのが良かったです。
西馬:「確かにそうですね〜」の合意が多かったですよね。私も同じ目線で語れた印象がありました。
──共通の視点があるからこその進めやすさがあったんですね。
清水:そうですね。今回は、自社のエンジニア3名がメインで映像に出演していますが、撮影日より前に、彼らとの目線合わせのためのヒアリングを設定いただいたのも良かったです。
これまでインタビューを伴う採用サイトの改修や採用映像の制作を複数回経験しましたが、こうした土台づくりまで対応いただいたことはなかったので、こんなに入念に準備をしてくれるんだと驚きました。ぶっつけ本番だとディレクターさんも誰に話してもらうのが良いかをまとめるのが難しいと思いますが、だからこその準備として出演者と関係をつくってから撮影に臨んでくださった。こうした配慮をしてくださったベースには、もしかしたら採用のご経験があるのかなと想像しています。
今回は本音を引き出すために台本を用意せず出演者へのインタビューを実施していただきましたが、当日、各インタビュイーの言葉をしっかりと引き出せたのも、事前のヒアリングがあってこそおかげだったと思います。
西馬:私も、事前ヒアリングで関係性をつくってくださったおかげでインタビュイーが自然な状態で受け答えできたように感じました。ディレクターさんもインタビュイーに対して「この人はこう話すのが得意だろう」とヒアリングを通して感覚を掴んでくださっていたようで、撮影当日はアドリブにも対応してくださっていましたね。
もしこれが撮影当日に「初めまして」だったら、お互いにもっとぎこちなくなってしまっていたと思うので、上手く関係性をつくっていただいてありがたかったです。
妥協無しで制作した映像はインナーブランディングにも。今後の活用可能性は無限大
──映像を公開してから何か反響や変化はありましたでしょうか?
西馬:まず、社員からの反響がすごくありました。公開後、「思っていた以上に社員がたくさん見てくれている!」と驚きました。社員にとっては自社のことを語る映像なので、インナーブランディング的な意味でも見てもらうことの意義はあると思うんです。「こんな人がいるんだ、こんなことをやっているんだ、こんな思いでやっているんだ」と。
清水:映像は対外発信だけでなく社内イントラネットにも掲載したのですが、載せてすぐに他部署の方から「良い映像をつくっているね」と声をかけられました。
最近は、自分達が知らない場所でもどんどん映像が活用されているようで、自社を伝える一つの武器として有効活用してもらえているのが嬉しいです。
西馬:映像は動画URLを貼るだけで見てもらうことができますし、気軽に色々な場面で活用できるので、そういう意味で「社内にもエンジニア組織を知ってもらう」ことに繋がったと思います。
──今後の採用活動において、映像はどう活用される予定ですか?
清水:月1回のペースで開催している技術イベントでの放映、社内サイネージでの放映、求人票へのURL掲載、採用候補者へのメッセージへの添付…とにかく「NIKKEIのエンジニアを知ってもらう」ために様々な場面で活用していきたいです。
西馬:映像のおかげで、これまで言葉を尽くしても伝えきれていなかった「NIKKEIのエンジニアの雰囲気」が伝わりやすくなったため、ともかく使い倒したいです。映像の活用可能性は無限大ですね。
──最後に振り返ってみて、今回の制作はいかがでしたか?
清水:エレファントさんとは「妥協がない」制作ができたと思います。納品期日や修正回数に制限がある制作会社も多いと思いますが、エレファントさんは納得いくまで伴走してくれるんですよね。私たちの希望に合わせて柔軟に対応してくださって、嬉しかったです。
そうして最後まで付き合ってくださるのは「良い映像を届けたい」というエレファントさんのこだわりがあるからこそなんだろうなと感じました。期待に応えてくださって、お任せして良かったと思いました。いつか「この映像をみてNIKKEIに入社しました」といった声が届くことを期待しています。
西馬:今回、映像の制作には思った以上に時間が必要だと実感しましたが、振り返ってみると、それは完成までに何度も改善を積み上げたからこそ要した時間でした。
新聞は一日一日が勝負なので「完成品をすぐに出して終わり」という印象だと思いますが、何度も版を重ねてより良いもの=完成形を発行しています。この制作過程においては新聞も映像も似ているところがあると感じましたし、エレファントさんと最後まで一緒に制作することができて良かったです。
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