「らしさを灯す」を企業理念に掲げ、多様な企業のWebサイト制作を行う株式会社FMC様(以下、敬称略)。エレファントストーンは、クリエイティブ制作のパートナーとして、過去に複数のWebサイト×映像制作プロジェクトをご一緒させていただいています。
このプロジェクトストーリーでは、株式会社FMC コミュニケーションプランニング部 ディレクターの岩間様(以下、敬称略)をお迎えし、プロデューサーの比嘉、ディレクターの嶺、福原を交え、両社が感じるWebサイト制作会社と映像制作会社がパートナーシップを組む意義をお伝えしていきます。
2社が同じチームで制作することで、クリエイティブの統一感もスムーズなやりとりも叶う
──FMCさんとは制作プロジェクトをご一緒するだけでなく、知見交換の場として定期勉強会を開催する等、深くお付き合いさせていただいています。FMCさんとエレファントストーンが一緒に制作することは、お客様にとってどんな価値になっているのでしょうか?
岩間:2社が一つのチームとしてお客様とのやりとりを共有する体制ができているのが、お客様にとっての価値になっていると思います。
Webサイト制作を検討されていて、かつ映像もつくりたいとご相談いただくお客様のほとんどは、Webサイトと映像をつくる会社が別だと知るとご不安な顔をされるんですよね。ただ、私たちには2社間で取り決めた体制があることに加えて、初回ヒアリングはもちろん要件が決まってからも必要に応じて双方の打ち合わせに参加するようにしており、「別会社と言っても同じチームで制作していきます」とお伝えすると、少し安心していただけて。一つのチームとして動くことで複数の制作会社と同じやりとりをしなくて良くなるのはお客様にとってポジティブだと思います。
また、これまでご一緒した経験から、エレファントさんはお客様とのコミュニケーションを大切にされていることを知っていますし、コミュニケーションのとり方の感覚もFMCと近いんですよね。打ち合わせ中に注意すべきと感じるポイントや制作において気をつけたいと思っているポイントが似ているなと思っていて。
そうした2社が一つになって情報を共有する体制がつくれていることそのものも、お客様にとってのメリットになっているのではないかと考えています。
嶺:確かに、お客様とのコミュニケーションを大切にする姿勢は、制作会社において決して当たり前とは言えないと思います。業界を見ると、お客様と良い関係性をつくることをあまり重視していないクリエイターの方も少なくない印象です。実際、色々な制作会社さんとご一緒する中で、クリエイターの発言で打ち合わせの場が凍りついてしまう、といった場面に出くわすことも少なからずありました。
比嘉:関係性がすでにある分、Webサイト・映像制作の予算の話等の繊細な部分を2社間で事前に話し合えることも、お客様の目指すクリエイティブを叶える上で良い側面なのかなと思っています。
お金の話は繊細ですし会社によって考え方が異なるため、お客様から追加のご要望があった際に「〇〇の場合はこうする」のアクションの仕方を定義できていないと、すぐに返答ができなかったり、協業企業との意向確認に時間がかかってしまったりします。
ただ、FMCさんとは関係性があるからこそ現場判断に委ねていただいたり、意向確認後にエレファントストーン側からご説明したりすることができるため、フレキシブルな対応が可能になっています。最近ご一緒したプロジェクトでは予算の割合もご共有いただいて、「この範囲で制作しなければいけない」という境界線を知ることができたので、お客様への返答のロスタイムをなくすことができましたし、弊社としても進めやすくありがたかったです。
岩間:お客様から新しいご要望があった場合は、その分かかる費用が変動することが多いですよね。先ほども話したように、映像とWebを同時につくる場合、基本的には要件が決まり切るまでは映像の打ち合わせに必ず私(ディレクター)も参加するようにしているのですが、比嘉さんがおっしゃった案件では打ち合わせの頻度が多かったのもあり参加できないことも多々ありました。
ただ、お客様から新しいご要望がある度に弊社に確認いただくのは、進行上時間がかかりすぎますし、純粋に不審感にもつながるなと感じて。それでエレファントさんには、お客様のリアルなご予算とそれに対する弊社の割合をお伝えして、「映像はこの範囲内でお願いします」と全体予算配分の見える化をさせていただきました。お客様にとってそのほうがスムーズだと思いましたし、エレファントさんにも動いていただきやすくなったとのことで、よかったです!
嶺:お金の関係性がオープンでない場合、クオリティをセーブする方向に走ってしまうケースもあるので、その点においてもお客様に価値を感じていただけるかもしれませんね。
クオリティをセーブするとは、例えば「本当は照明を入れた方が良いけれど追加予算が発生するし、お金の話はしづらいから照明の話を提案するのをやめよう」「予算を〇〇万円追加してくれないと対応しない」等の場合が挙げられます。
クオリティの追求はお客様にとって重要ですし、お金の話は制作会社間でオープンにしていた方がお互いに進行しやすいですが、やはり繊細な話になるので限られた人/会社としか共有できないと思います。その点、FMCさんとエレファントストーンはその信頼関係が築けているのが嬉しいですね。
関係性ができているから良い進め方も分かっていた
──最近ご一緒させていただいたLIFE CREATE様の採用サイト×映像制作プロジェクトはFMCさんからエレファントストーンにお声がけいただきましたが、今回はどんな経緯でお声がけいただけたのでしょうか?
岩間:採用サイト制作を始めた当初は映像制作の予定がなかったため、映像の話が出た段階で既に採用サイトのイメージは見えてきていて。コンテンツにはしっかりとこだわりを持ちたいお客様だといことはわかっていたので、映像については採用サイトとトンマナを合わせながら(コンテンツも含め)並行して進めていただく、かつタイトなスケジュールでお客様の意図を汲み取って制作いただく必要もありました。
そのため、LIFE CREATEさんに「映像制作もお任せできるところを探したい」とご要望いただいた段階で、安心してお任せできるエレファントさんを指名させていただきました。
──嬉しいお言葉をありがとうございます!採用サイトが形になってきている中でお声がけいただいたんですね。その後は採用サイト制作・映像制作、それぞれどう進めたのでしょうか?
岩間:まず、エレファントさんにお声がけするタイミングで、“コンセプトやトンマナが採用サイトと合う映像を制作いただきたい”と弊社から大枠のご要望をお伝えしました。
その後、LIFE CREATEさんとエレファントさんが実施された映像制作に関する要件定義の打ち合わせに参加させていただき、以降は「エレファントさんならお任せして大丈夫!」という安心感があったため、映像に関するディレクションをまるっとお願いしました。
実際、お任せしている中でも細かに連絡をくださり、「じゃあこれは少し話し合ったほうがいいかもしれないですね、今日10分くらい時間ありますか?」みたいなやりとりもあったりして。私は全体を管理する立場としてブレないように常にチェックするようにはしていましたが、お互いに共有体制があったので、ずっと安心感をもったまま進められましたね。その分私はWeb制作に集中できる時間が増えるのですごく心強かったです。
嶺:パートナーシップを組んで間もない頃にご一緒したWebサイト×映像制作プロジェクトでは、2社の足並みが揃わずバラバラに進行してしまったという反省点があったんですよね。なので、そのプロジェクトの振り返りを経て今回は足並みを揃えて進行できるよう、こちらからFMCさんに都度確認をとって進めるというのは意識していました。
福原:FMCさんとは以前から関係性があることもあって、事前に何をすり合わせるべきか、制作過程で何を報告するべきかを整理してから進行することができたのがよかったです。過去の積み重ねが今回のプロジェクトのスムーズな進行に繋がったと思っています。
実際の進行は、採用サイトのコンセプト・デザインを元に映像の完成形をイメージしつつ、お客様のご要望とすり合わせていったかたちでした。今回はLIFE CREATEさんがすごくこだわりをもって制作に臨まれていて。会社として伝えたいこと、大切にしたいことを魅せるにはどうするべきかの答えをとても明確に提示されていました。
そのため、私はFMCさんに映像制作をお任せいただいた立場として、LIFE CREATEさんのクリエイティブへのこだわりをどう実現するかだけでなく、“映像ディレクターとして”どんな価値を発揮するべきかを試行錯誤して、皆様に食らいついていくように進めましたね。
──過去のFMCさんとの制作経験があってのスムーズな進行だったのですね。“ディレクターとしての価値の発揮”ということで、具体的にどんなところにこだわっていたのでしょうか?
福原:今回はLIFE CREATE社員の皆様の体験をベースとしたストーリー性のある映像の制作だったため、特にキャストさんの演技にこだわり、見る人の感情が動くにはどうするべきかを考え抜きました。
撮影前にロケハン※に2回行って実際の場所を見ながら演技のイメージをしたり、キャストに起用されたLIFE CREATE社員の皆様と演技のリハーサルを行ったり。シナリオを元にキャストの方の感情の機微や動きを細かく分解することで、社員の皆様の体験が映像を通してリアルに伝わるようにつくっていきました。シナリオに加えて「この感情を魅せるためにはこういう動きがある方が良いのではないか」というのはかなり細かくお客様と話し合っていましたね。
“LIFE CREATE社員の皆様の心が動く映像にしたい”という想いで制作していたのですが、最終的に「感動した、泣いた」という声を多くいただくことができたため、こだわりがしっかり形になった実感がありました。
※ロケハンとは、映像制作において実際の撮影前に撮影で使用する場所を下見することを指します
LIFE CREATE様との採用サイト×映像制作プロジェクトはこちらから
お客様にとってのより良いを叶えるために、各社が領域を超えて混ざり合う未来がくる
──FMCさんとエレファントストーン、今後はどうパートナー関係を構築していきたい等のビジョンはありますでしょうか?
岩間:今後は会社の垣根を超えて“混ざり合っていけたら”お客様にとっても自分たちにとっても良いのではないかと考えています。
同じ空間で業務したり、ブレストしたり、打ち合わせしたり。そうやってある意味同じ会社の人としてプロジェクトを進めていくことが、より良いものを今以上にスムーズに生み出すきっかけになるのではないかと考えています。
比嘉:「Webサイトに掲載する映像をつくりたい」というご要望は、僕たちがいただくご依頼のうち、かなりの割合を占めます。そのため、僕たちも“Webサイトとは?”を詳しく知っている必要があるんですよね。
なので、岩間さんがおっしゃる通り、一緒に制作するという意味でも“混ざり合う”、ナレッジや知識を共有するという意味でも“混ざり合う”というのが今後の理想形としてあるのかもしれません。
そこが混ざり合うことによって、Webサイト制作のご相談を受けたFMCさんが「お客様の課題には映像が効果的/効果的ではない」を判断できるようになりますし、逆にエレファントストーンもお客様の課題を伺う中で「その課題解決にはWebサイトが必要なのではないか」と気づくことができるようになります。
“混ざり合う”ことで、互いに無い部分を補い合う以上の価値が生まれるのではないかと思っています。
──両社の垣根が今以上になくなっていきそうですね!
嶺:まさに今後は今以上にWebサイト制作や映像制作の垣根がなくなっていくと思います。AIの発展があって、ツールが開発されて、どんな業務も効率的になっていく。技術的な障壁がどんどん除かれているので、指示を出す人間のクリエイティブディレクションの力が重要になっていく。
例えば元々映像ディレクションの技能しかなかった僕が、お客様のことをよく理解しているからという理由でAIを用いてWeb制作をする、という未来があるかもしれない。それが可能になっている時代です。
なので、お客様のクリエイティブディレクションを一人、あるいは1社がトータルで行うのもきっと当たり前になっていきます。でもそれを1社で完結するのではなく、協業で行うという選択肢が残っていても良いと思うんです。ただ、1社でも完結できるのに協業を選ぶ場合に必要なのが、縦割りではなく重なり合うということ。
エレファントストーンは映像もWebサイトも制作できるし、FMCさんもWebサイトも映像も制作できる。そういう2社がパートナーシップを組んで、その価値は足し算ではなく掛け算にしていくということが求められるような気がしています。
そして、その時に重要なのが僕たちの根本にある“目の前のお客様のパートナーになるんだ”という想いなんじゃないかと思うんですよね。その想いがあると一つの技能にこだわる意識は自然となくなると思いますし、色々なことに興味をもって、理解して、知っていくことが自然とできる。
それができたら、例えば「映像で〇〇の工夫を入れたので、Webも連動させてみたら面白いと思うんですけど」と可能性の広がる提案ができるんじゃないかと妄想しています。協業する会社がお互いを尊重して口を出さないのではなく、お客様にとってのより良いものを叶えるために口を出し合う。それが実現できたら面白いですよね。
岩間:この可能性って、Webサイト制作と映像制作会社に限らないですよね。コピーライティング、衣装、みんな混ざり合えそう。
嶺:そうですね。FMCさんはWebサイト制作事業に加えてアパレル事業をされているので、エレファントストーンが制作する映像の衣装をトータルコーディネートしてもらう未来もあるかもしれません!
エレファントストーン:岩間さん、本日はインタビューにご協力いただきありがとうございました。